コーヒー豆を大きく分類すると、アラビカ種、カネフェラ種、リベリカ種の3種類に分けられます。しかし「リベリカ種」は栽培地や生産量も限られていてほぼ流通していません。植物分類学的に言うと「被子植物門・双子葉植物網・アカネ目・アカネ科・コフィア属・エウコフィア亜属・エリトロコフィア節」の「アラビカ種」「カネフォラ種」です。
特徴
アラビカ種
世界で生産されるコーヒーの約2/3の生産量を占めます。品質、風味の点で最も優れているのがアラビカ種で、豊かな芳香(アロマ)と、円熟味のある味わいを持つ高級品種です。アラビカ種はカフェインの含有量も少なく、ロブスタと比べると約半分程度になります。ショ糖が多く含まれているので、焙煎によって甘みが増して風味が良くなるというのもアラビカ種の特徴です。
アラビカ種にはたくさんの生産品種(亜種)があります。突然変異や、自然交配の種もあり、耐病性や生産性の向上を目指した品種改良が進んでいます。
代表的な種には次のようなものがあります。
ティピカ
ジャマイカのブルーマウンテンやハワイ・コナなど、名高い産地での主要品種で、特に突出した味わいはありませんが、香り、味ともにバランスがとれた品種です。
古くは多くの地域で栽培されていましたが、病気に弱く生産性が低いため、現在は限られた地域で栽培されています。
ブルボン
飲み口はすっきりとして、優しい酸味とほのかな甘みです。また適度なコクもあり、味わい深い品種です。
現在、流通量が低く、グアテマラ、エルサバドル、ルワンダ、コスタリカで栽培され、環境がある農園からは高品質なコーヒーが生産されています。普通果実は赤く熟しますが、ピンク色に熟すピンクブルボン、黄色に熟すイエローブルボンもあります。
ゲイシャ
エチオピア生まれの原種で、ゲイシャという名前もエチオピアのゲシャ(Gesha)丘に由来します。
フローラルな独特の香りと爽やかな酸味があります。
パーカス
1956年にエルサルバドルのパーカス農園で発見されたブルボン亜種の突然変異種です。
エルサルバドルやホンジュラスで栽培されています。
パカマラ
1970年代当時、世界最高の学問水準にあったエルサルバドルの国立コーヒー研究所(ISIC)が25年をかけて作り上げた人工交配種です。
大木で収穫が大変なマラゴジッペ亜種と、小ぶりで収穫量が安定しているパーカス亜種を掛け合わせたもので、両方の頭文字をとって「パカマラ」と名付けられました。
しっかりしたコクが特徴です。
カトゥーラ
1935年にブラジルのサンパウロ州またはミナスジェライス州で発見されたブルボン種の優性突然変異種です。
フルーティーなフレーバーが特徴で、キレのある酸味とほのかな甘みが加わってます。
マラゴジッペ
ブラジルのバイア州マラゴジッペで発見されたティピカの突然変異種です。
カトゥアイ
ブラジルでムンドノーボとカトゥーラを人工交配させたものです。
ムンド・ノーボ
1943年にブラジルのサンパウロで発見され、ブルボン種とスマトラ種の自然交配から生まれた品種とみられます。
SL28
コーヒー豆のSL28は、ケニアで多く栽培される種で、1935年にスコット・ラボラトリー(当時、ケニアでコーヒー研究を行っていた研究機関)によって発見され、繁殖させた品種。SLとは、スコット・ラボラトリーの頭文字で、番号はさまざまな品種をその特徴ごとに連番でつけていったものです。
しっかりとした酸とコクがあります。
SL32
コーヒー豆のSL34は、干ばつに強く生産性が高い。1935年にスコット・ラボラトリーによって繁殖された。
華やかな酸とコクがあり多様な香味のコーヒーであります。
カネフェラ種ロブスタ
世界で生産されるコーヒーの約1/3の生産量を占め、ロブスタ種とも呼ばれます。カフェインを多く含み、強い苦味とコクが特徴です。ブレンドや、インスタントコーヒーなどによく使われています。カフェインの量は、アラビカ種の2倍にもなるというのが大きな特徴です。しかし、クロロゲン酸を多く含むロブスタ種は焙煎されると苦みが抽出されやすくなり、それがロブスタ種独特の苦みとして、味に大きな影響を与えています。
低い含油率を持つロブスタ種をブレンドしたエスプレッソからはしっかりとしたクレマが生まれます
比較
アラビカ種 | カネフェラ種ロブスタ | |
味 | まろやか、酸味 | 渋み、苦み |
香り | 甘い香り | 香ばしい |
カフェイン量 | 少ない | 多い |
原産国 | ブラジル・コロンビア・ エチオピア・メキシコ・ グアテマラ・タンザニア等 | インドネシア・ウガンダ・ ガーナ・ブラジル・インド等 |
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